V.出血病変に対するAPCの適応とその手技...その1

出血のなかでも広範囲な粘膜からのoozing bleedingがよい適応になる。
出血部位に凝血塊が付着していれば、それを除去してからAPCを出血病変そのものと周囲の粘膜も含めて凝固する。
例えばGAVEやDAVE症例では、発赤の見られる粘膜全体をグリッド状に凝固するのが効果的である。
APCの効果的な使用法としては、同一部位に長時間連続通電せずに1〜3秒以内の通電を間欠的に通電する方法が、凝固も深くならず表層の浅い凝固が得られる。
消化管の蠕動運動が強い場合はプローブ先端と標的組織の距離を一定に保ち難く、内視鏡先端に透明フードを装着してAPC凝固を行うと比較的容易である。
内視鏡的粘膜切除後の出血もよい適応である。
切除部位の組織は薄くなっており、レーザーや高周波凝固による凝固止血では凝固が深くなりやすく、穿孔などの危険を伴うが、APCでは凝固の深度も深くなりにくく安全に止血処置が可能である。 (図7)