APCは前項で説明した機序により、広い粘膜面からの出血に対して効果がある。
表1にAPCの特徴、表2に適応疾患についてGrundら2)の文献を一部改変して示した。
出血病変としては、gastric antral vascular ectasia(GAVE)や内視鏡的粘膜切除後の比較的広い粘膜面の表層からの湧出性出血などに有効である。
また、凝固の到達深度も約3mm程度で浅層に限定されるため、薄い壁状の消化管でも穿孔のリスクが低い。
tumor reductionの目的ではNd-YAGレーザー照射と比較しても、組織の蒸散も起こらず、壁の薄い十二指腸や大腸などの消化管での使用でも穿孔のリスクが低く安全である。
また、組織の炭化が少なく術創の治癒が良好である。
使用中の発煙も少なく良好な内視鏡視野が得られ、不快な悪臭も少ないなどの長所があげられる。
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